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毎年3月3日に開催される「浦佐毘沙門堂裸押合大祭」。

今年も近づいてきました。

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この大祭ではたくさんの巨大ろうそくが使用されることから

「大ローソク祭り」とも呼ばれています。

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この、高さ1m重さ約30kgの巨大ろうそくの

制作を一手に引き受けるのが、北村ローソク店の

5代目・北村洋成さんです。

ろうそくづくりでお忙しい中、作業場にお邪魔して

お話を聞かせていただくことができました。

毘沙門堂のすぐ近くの、「花のきたむらや」さんの

中に作業場があります。

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階段を降りて行くと、ろうのにおいがしてきます。

階段

そして、巨大ろうそくがたくさん並んでいます。

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この方が、北村洋成さん。

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北村ローソク店は、大祭のろうそくづくりを

代々担ってきました。

4代目の洋成さんの父・計さんは、60年間

巨大ろうそくを1人で作り続けてきました。

ところが、昨年の4月、計さんが、がんで亡くなって

しまいました。

突然の計さんの死に、洋成さんは焦ったそうです。

「ろうそくづくりは、いずれは継ぐ」とは

考えていたが、まだまだ先のことだと思っていました。

でも、洋成さんの大祭に対する思い入れは、とても強く

平成4年には、大祭を取り仕切る

多聞青年団の団長を務められました。

その後も、奉納金集めなど、大祭のために駆け回っておられました。

計さんの死から、月日が経つにつれ

「やってみよう。」という想いが湧き起こってきたそうです。

12月の初めから、巨大ろうそくづくりを始められました。

でも、継ぐのはまだ先だと考えていたので

原料の配合なども知らず

とにかく試行錯誤の日々が続きました。

計さんの作業を思い出しながら進めていったそうです。

2種類の原料を溶かし、かくはん機で混ぜて空気を含ませます。

かくはん機

コチラ↓がろうそくの芯になるものです。

芯

50℃くらいになったろうを、指の感覚だけで芯に塗っていきます。

それを削って、きれいな形にしていき、巨大ろうそくの完成です。

作業場 (4)

作業場 (5)

巨大ろうそく

初めの頃は、かくはん機のプロペラにあたって

手を切ったり、熱いろうで火傷をしてしまったり

「泣きたくなったよ。」と笑いながら仰っていました。

「裸押合大祭は浦佐の誇り。自分たちで守っていかないとね。」と

楽しそうに笑って話す洋成さん。

大祭の巨大ろうそくは、とても綺麗な形なので

型にろうを流し込んでつくっているとばかり思っていました私ですが

まさか、1本1本、丁寧に手作業でつくられているとは!

そして、その作業を見せていただくことができて、本当に感激しました。

4代目の父・計さんの、作業の様子がコチラ↓です。

計さん

ぜひ、「浦佐毘沙門裸押合大祭」にお出かけいただき

伝統を守る熱い想いでつくられた巨大ろうそくを

じっくり見ていただきたいと思います。

あ、このろうそくの字は洋成さんのお母様が書きます。

お父様が作っていた時はすべて計さんが書いたそうです。

洋成さんは、「いずれ俺が書かなくちゃね…簡単じゃないよね…」

と笑う5代目。

この歴史ある天下の奇祭は、巨大ろうそくの匠の技の伝承でもあります。

 

記:長谷川佐江子

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