だんだんどうも、上村絵美子です。
2016年も残りわずかとなりました。
皆さま、年末年始の準備は順調ですか?
大掃除をして、鏡餅を用意して、お正月飾りを用意して…。
お正月飾りといえば、藁細工。
藁細工といえば、薮神地域コミュニティセンター「まほろば」。
「まほろば」の一室にはたくさんの藁細工と、
さまざまな藁の利用方法が書かれた資料も残されています。
この「まほろば」で、毎年恒例となっている薮神小学校の藁細工教室が行われました。
去年の取材の様子はこちらをぽちっと↓
薮神小学校では、毎年初冬に藁細工教室が行われていますが、
これは薮神地区地域づくり協議会の提案事業の一つともなっています。
先日、地域と学校の連携をテーマとしたイ研修会が開催されましたが、
まさに地域と学校とが連携した行事です。
藁細工教室は以前は希望者のみが参加していましたが、昨年からは
薮神小学校の4年生~6年生が全員参加して行われています。
今回は、縄ない初挑戦!の4年生を取材してきました。
薮神なう
講師は薮神地域の皆さん。
はじめに、南魚沼市公民館薮神分館の分館長で、
薮神地区地域づくり協議会会長でもある清塚功さんからご挨拶。
「藁は、お米を収穫した時に残った部分です。
そのまま捨てればゴミになってしまいますが、藁を使って色々なものを作ることができます。」
昔から稲作を行っていたこの地域では、藁はとても身近なものでした。
雪深い南魚沼地域。
今のように除雪や消雪の技術が発達していなかった昔は、
冬場はなかなか外に出ることができず、家の中でできる仕事が中心でした。
おんなしょ(女性)は機を織り、子どもやおとこしょ(男性)は藁細工を作る…
それが南魚沼で昔から受け継がれて来た冬の過ごし方でした。
清塚会長も子どもの頃から縄ないをしていて、昔は草履を作ったりもしたそうです。
今では冬でも家の外へ働きに出ることができ、
また、藁製品の需要も少なくなってしまいました。
ですが、藁細工を通じて地域の伝統文化を知り、「ものづくり」の良さを
体験する機会として、この藁細工教室が行われています。
薮神小学校の藁細工教室は約30年続けられているそうで、
「薮神の子は縄ないができる」がキャッチフレーズになっています(^^)
藁細工に使用する稲藁は地域の方が用意してくださったものですが、
実はこの藁細工教室のために、稲が青い状態の時(夏)に稲を刈り取り、
陰干しして乾燥しておいたものなのです。
わざわざ毎年このために稲から準備をしてくださっているなんて!
お米を収穫した後の藁をそのまま使うのだと思っていました…(・・;)
早く収穫した稲藁は綺麗な青みがかった色で、しっかりしているのが特徴です。
早速、基本となる縄ないが始まりました。
今回は、児童3人に指導者が1人。縄ないをしながら、自然と地域のことなどの会話が生まれ、
子どもと地域の方とのコミュニケーションの場にもなっていました。
はじめはなかなか縄にならず苦戦していた子ども達でしたが、
コツを掴むとあっという間に長~い縄を作っていました。
完成した縄で“縄跳び”をして遊ぶ子も。これが本当の縄跳び(*^^)v
縄ないの後は、お正月飾り作りです。
藁束に稲を貼り付け、節の部分で模様を作ります。
ここは、子ども達の個性が出ます。
飾りを付けたら…
完成です!
手作りのお正月飾りは家族の方からも喜ばれて、大変好評だそうです(^^)
薮神小学校の縄ない行事は毎年恒例となっているので、
子ども達は低学年の頃から、上の学年になったら
藁細工の作品が作れることを楽しみにしていて、
この日も朝から「あと○時間で縄ないができる。早く縄ないがやりたい!」
と、とても楽しみにしていたそうです。
実際に子ども達は
「毎月縄ないをやりたい!」
「家に帰ったらおじいちゃんに聞いてまたやるんだ!」
と、縄ない・藁細工をとても楽しんでいました。
子ども達が昔からの伝統文化を楽しんでおこなってくれるというのは
とても嬉しいことですね(*^^*)
地域の宝
子ども達を見送り、後片付けを行った後は、
指導者の皆さんと薮神小学校の校長先生・教頭先生、
そして地域づくり協議会の会長・事務長で、ふり返りと
来年に向けての打合せが行われました。
薮神地域コミュニティセンター「まほろば」と
同じくらい歴史のある藁細工教室ですが、
昔は1月や2月に行われていたそうです。
ですが、せっかくの藁細工(しめ縄など)なんだから
お正月に間に合わせたいということで、
現在の時期に藁細工教室を行うようになりました。
藁細工の製作内容はその年によって、学年によって違いますが、
子どもの個性が出るものを作らせてあげたいという気持ちで、
何を作るのかを決めているそうです。
また、飾り付けに使うものを各家庭から持ってきてもらい、
好きなものを飾ってもらうのはどうか、という意見も出ていました。
藁細工教室の指導者の中でも中心となっていたのは、小幡一男さん。
小幡さんが藁細工用の稲藁作りや乾燥など、ほとんどの準備を行ってくれているそうです。
今後も藁細工教室を続けていくにあたって、指導ができる人は自分以外にもいるけれど、
藁を作るところからやってくれる人がいないと、自分の後を継ぐ人がいない、
と小幡さんは仰っていました。
これからはみんなで協力して準備を進めようということになりましたが、
藁細工を教える次の世代の指導者を育てていくことも
今後の課題の一つだということがわかりました。
「地域の宝」として、藁細工をご紹介くださいましたが、
同じく、子どもたちも「地域の宝」です。
薮神地区地域づくり協議会と薮神小学校では
縄ないの他にも田植え・稲刈り・餅つきといった行事が
既に連携して行われていますが、今後の連携について
子どもたちのニーズに合ったものを行わなければならない、と
薮神小学校の中俣裕夫校長先生は仰っていました。
先日の合同研修会を受け、今後の連携をより良いものにするため、
薮神地区地域づくり協議会の総会に今後学校も関わってもらう方針で
あることを、中俣校長先生や清塚会長からお聞きしました。
藁を縒り合わせて強い縄ができるように、地域と学校とが強く連携することで
より良い地域づくりにつながっていくのではないでしょうか。
そんなことを考えながら、おらしょの事務所も新年を迎える準備を行っています。
ちなみに、お正月飾りは年が明ける前に飾らなければなりませんが、
いつまでに飾るのが良いのでしょうか?
答えは、こちらのブログをご覧ください↓急がなくっちゃ~!!
さて、それでは、
みなさま、本年も大変お世話になり、ありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
追伸
藁細工教室の様子は薮神地区地域づくり協議会のブログでも紹介しています。
こちらもぜひご覧ください(*^^*)↓こちらをぽちっと
記:上村 絵美子
- 投稿タグ
- 縄ない, 薮神地区地域づくり協議会, 薮神小学校, 藁細工